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2011年12月31日 (土)

超主観的・棋界ニュース2011

2011年の棋界について、今年も羅列。

第1位 コンピュータ将棋の進化止まらず!?

第2位 渡辺竜王が羽生王座20連覇を阻止、竜王8連覇

第3位 日本将棋連盟が公益社団法人に

第4位 里見女流が奨励会挑戦、女流と奨励会の掛け持ち復活

第5位 女流王座戦の創設、初代女流王座に加藤奨励会員

第6位 加古川青流戦創設、地元の船江四段が初代チャンピオン

第7位 若手の躍進は小休止、羽生世代再浮上

第8位 長谷川女流が鮮烈デビュー

第9位 久保二冠がダブルタイトル防衛も・・・

第10位 B級1組が面白い!!

それぞれ寸評を書いたのだけど、消えちゃった_| ̄|○
(メイドがネットケーブルをいじりよったorz)

2011年8月10日 (水)

And I Love Car

先ほど、愛車の最後の運転を終えました。

高校を卒業して、すぐ免許を取って、
それから21年乗り続けました。
当時は絶大な人気を誇り大ヒットした車種でしたが、
居住性に難がある(ウィキペディアの解説orz)とかで
早々と生産終了に追い込まれ、
いまではめったに見ることのできないクルマです。
そんなわけで、「あのクルマを乗ってる人」と
私のキャラクターの1つでもありました。

もうそろそろ車検なのですが、生産終了から13年も経つと
さすがに車検での部品調達もままならず、
そして何より、私自身が来月に日本を離れることもあり、
愛車を手放すことになりました。
今朝、ディーラーに引き取ってもらいます。

月並な言葉ですが、本当に思い出は尽きません。
いつまでも手元に置いておきたい気持ちもあります。
しかし、前回の車検でトラブルを経験したこともあって、
今年に入って渋々ながら手放すことを決めました。
まさか中古車として売りに出されることはないと思うので
まず間違いなく「廃車」として処分されるのでしょう。
無念ですが仕方ない。

夜に仕事を終えて、珍しく高速を走って
懐かしい場所にも出かけてきました。
自分の記憶どおりだった場所、跡形もなく変わっていた場所。
21年という時間は短くもあり、長くもあり。
自分の成長の遅さだけをあらためて感じる時間を過ごし、
いままさにボーッとしているところです。
やはりいろいろなことを思い出すもんですね。
たまには湿っぽいことも書いてみたくなるのです。
クルマで、笑ったこと。泣いたこと。怒ったこと。
そして最後も歌いました。

・・・まるでソ○ー損保の回し者やないかorz

 

 

車はあくまでも 快適に暮らす道具
車に乗らないと いけないワケではないぜ イエー

だけど 好きなんだ いいだろ
こんなにも 愛しているよ
And I love car この気持ちを
歌うんだ 君と僕の歌を

だから 何ででも いいだろ
こんなにも マイっているよ
And I love car この気持ちを
つくるんだ 君と僕の歌を
あなたの歌を 車の歌を

2011年3月 3日 (木)

将棋界の一番長い日2011簡単まとめ

・一番長い日の「解説・佐藤康光」の次回はB1じゃなく名人で希望
《貴重映像》久保と森内の上座の譲り合い→二個動
・Aちゃんの引き角布教コーナー
・みろく庵休業の余波で、麻婆豆腐定食とシューマイの出番なしorz
・棋譜中継、山口女流の写真が秀逸
《貴重映像》夕食注文コーナー、敗着は小銭不足→二個動
・ヒレカツ定食+なめこ汁の安心感
・高橋特撮師匠の千日手模様打開カコヨス
《貴重映像》用意周到丸山新手→二個動
・いつもんさんが藤井苦戦速報発令→ツイッター
【木村●-○三浦】(23:48)
・心を落ち着けてから木村投了、無念の降級
・朝日杯優勝は災難が降りかかる兆候(行方降級、羽生王将失冠)
・勝利の目薬、三浦は残留
【谷川●-○郷田】(23:58)
・谷川先生、○ ○ ○ ○ _| ̄|● _| ̄|● _| ̄|● _| ̄|● _| ̄|●
・それで、1200勝はいつになるんでしょうか?orz
【高橋○-●藤井】 (00:18)
・藤井てんてーも10期務めたA級をついに降級
・この時点で対局中の丸山と久保の残留確定
・高橋師匠は連続勝ち越し、前期の反動が出るとか思ってた奴は謝れ!!
・本当にすいませんでしたorz
【丸山○-●渡辺】(00:49)
・冷えピタ除去は「私が勝ちました」の合図
・渡辺敗れて挑戦争いから大きく後退、久保勝ちに望みをかける
・その森内-久保が大熱戦、記録係がつらそうな様子
・森内優勢も、必死の粘りを見せる久保に誰もが感動
・そして島先生のくしゃみにびっくり
【森内○-●久保】(01:39)
・渡辺投了から50分後、久保が投了して森内の挑戦決定
・永世名人(資格者)どうしの名人戦は中原-大山以来25年ぶり
・久保が自分の残留を知ったのは感想戦終了後とのこと

2010年12月31日 (金)

超主観的・棋界ニュース2010

今年も2010年の棋界について、10個挙げてみました・・・

第1位 「清水市代 vs あから2010」が実現

第2位 広瀬王位を筆頭に若手が大躍進

第3位 有吉九段・大内九段の引退と引退規定の改定

第4位 里見・甲斐の台頭で女流勢力図一変

第5位 永世棋聖資格の佐藤九段がA級から陥落

第6位 ダブルタイトル戦を勝ち抜いて久保二冠達成

第7位 今年の棋界も羽生名人を中心に回ったが・・・

第8位 渡辺竜王がA級に昇級、竜王7連覇

第9位 モバイル中継・電子書籍サービスがスタート

第10位 林葉元女流がLPSA公認棋戦に登場

以下、各話題について個人的な寸評を。

第1位 「清水市代 vs あから2010」が実現

【寸評】
今年の将棋界については、おそらくこの件が最もマスコミに多く採り上げられた話題かもしれません。
「将棋のプロがコンピュータに初めて負ける」・・・という面白可笑しい伝わり方は、予想以上に世間で受けたようにも思います。何事でも、“ターニングポイント”は大きな刺激を伴うようです。

今回の対局結果については残念ながら多くの将棋ファンの想定範囲内であり、トップ女流プロが敗れた結果自体については、それほど大きな意味はないと考えています。
重要なのは、将棋のプロを名乗る集団が、今後コンピュータ将棋と共存共栄していく姿勢をはっきりと見せたこと。
その流れのなかで“斥候”として選ばれたのが清水女流でしたが、この人選はいろいろな面であまりにも過酷だったと今でも思います。道義的にも、一定の生活が保証されたプロである将棋連盟の正会員が正々堂々と相手になるべきでした。
コンピュータ将棋との再戦があるのなら、どうやら将棋連盟の現会長である米長永世棋聖が相手になるようで、勝負の行方にも興味が湧くベストな人選だと思います。詳細はこちらから読むことができます。一読の価値ありますので、ぜひどうぞ。
個人的には、梅田さんのような発信力の高い人が、「あなた、少なくともトッププロよりは弱いでしょ?」と大先生本人の前ではっきり言える位置にいることに有難味を感じました。そんなん、インサイダー、全くのアウトサイダー、どちらでも無理ですからね。

コンピュータ将棋は更なる進化を遂げる途上にあり、いずれトッププロ棋士の実力を凌駕するのでしょう。
これは決して悲劇ではなく、素人の目から見た楽観的な観測としては、トッププロ棋士に勝利することを目指して培われた探索手法や評価関数自動生成の基本システムが、将棋とは全く異なる分野・業種においても技術応用され、いつか我々の日常の生活にも密接に関わってくるのではないかと見ています。
本当にそうなったとき、その礎が棋士との激闘を経て築かれたことについて将棋ファンとして誇りに思う日が来ることを夢見ながら、コンピュータ将棋が強くなる過程を見つめているところです。

第2位 広瀬王位を筆頭に若手が大躍進

【寸評】
プロ棋戦の結果で最もインパクトがあったのが、広瀬王位の誕生。
あれよあれよのうちに王位リーグ・挑決で数多のトップ棋士を蹴散らし、七番勝負も堂々たる戦いぶりで、あっさりと初タイトルを獲得しました。
今年は広瀬王位以外にも、豊島六段の王将リーグ制覇、戸辺六段の順位戦躍進と王位リーグでの活躍、糸谷五段のNHK杯準優勝と棋王戦でのベスト4入りなど、例年より増して若手の活躍が目立った一年でした。

第3位 有吉九段・大内九段の引退と引退規定の改定

【寸評】
前年度末、タイトルも獲得した往年の名棋士である有吉九段と大内九段に
C級2組順位戦でそれぞれ3つ目の降級点が点いて引退が決定。非常に寂し話題ですが、さまざまな動きが出たのは引退が確定してからでした。
引退確定後に有吉九段がNHK杯予選を突破したことで、引退日の規定が改定。また、大内九段も現役最後の対局となった竜王戦5組の残留決定戦に勝って有終の美を飾り、それが引き金の1つにもなったのか、これまでフリークラスの規定のみで決まっていた引退が、棋戦の成績によって延長できる制度に改定されました。

第4位 里見・甲斐の台頭で女流勢力図一変

【寸評】
年明けの女流名人位戦から、マイナビ女子オープン、女流王位戦、女流王将戦と4タイトル戦連続で保持者交代。
清水女流と矢内女流は無冠に転落し、甲斐女流が一気に複数タイトルを獲得、里見女流が10代で女流三冠を達成しました。
また、マイナビ女子オープンでのチャレンジマッチ制度創設や、一部女流棋士の正会員化への動きなど、今年も女流棋界が激動する一年となりました。

第5位 永世棋聖資格の佐藤九段がA級から陥落

【寸評】
インパクトとしては、なんといってもこれ。
名人2期を経験した永世棋聖資格保持者がA級から陥落。いまだにB級1組で指しているのが信じられないくらいです。
さすがに下のクラスでは力の差を見せ付けてA級復帰目前。来年度以降、6時間の将棋の勝ち方を再び体に染み込ます意味で今回のB1落ちが結果的に良かった・・・となることを祈っています。

第6位 ダブルタイトル戦を勝ち抜いて久保二冠達成

【寸評】
久保棋王が年明けの羽生王将・佐藤九段を相手にしたダブルタイトル戦(王将戦・棋王戦)に連勝、二冠を達成しました。久々に関西から複数タイトルが出たのは本当に嬉しい限り。
大和証券杯にも優勝し、近年の振り飛車躍進の象徴として見事な活躍ぶりでした。

第7位 今年の棋界も羽生名人を中心に回ったが・・・

【寸評】
王将は失冠したものの、名人戦、棋聖戦、王座戦とストレート防衛。朝日杯とNHK杯も制し、今年も強さを見せ付けました。
しかし、竜王戦では力負けして永世七冠獲りに失敗。
また、今年は戸辺六段、広瀬五段(当時)、糸谷五段、豊島五段(当時)に痛いところで敗戦。近年になく若手に苦戦する一年だったように思います。

第8位 渡辺竜王がA級に昇級、竜王7連覇

【寸評】
A級昇級と竜王7連覇はお見事。
竜王7連覇の価値を高めるためにも、二冠目の獲得が急務。

第9位 モバイル中継・電子書籍サービスがスタート

【寸評】
携帯中継にはお世話になりました。
将棋世界の電子書籍、iPadはもってないけど、とりあえずすごいらしい。

第10位 林葉元女流がLPSA公認棋戦に登場

【寸評】
これは勝っても「やっぱり」、負けても「やっぱり」となる対戦相手の中倉彰子女流が気の毒でした。
久々の林葉さんの登場に、かなり期待していたものの、まだ現役当時には程遠い印象。将棋よりむしろ林葉さんの健康面が心配・・・

次点は新人王戦での加來アマの活躍に。
惜しくも決勝三番勝負で敗れましたが、
もし優勝していたらどんな動きが出ていたんでしょうか。
見てみたかったです。

2010年12月 8日 (水)

2010年12月初旬の書評?

『どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?』
5級向け、初段向け、五段向け書評

【5級】
内容(「BOOK」データベースより)
“勝負師、研究者、芸術家の貌を併せ持ち、40歳の今も最高峰に立つ「考える人」。その真の強さとはいったい何か? 10篇の「観賞」と「対話」が織り成す渾身の羽生善治論。”

現在の将棋界において「最強棋士」と目されている羽生名人が、なぜただ一人圧倒的な実績を残すほどの強さを保ち続けているのか、タイトル戦におけるリアルタイム観戦記と、棋士たちとのリアリティーに富む対話から探っていく。とりわけ、“インサイダー”向けには吐かないとも思われる、棋士たちによる“部外者”たる著者への生の声に羽生将棋の強さの背景が見え隠れし、非常に面白い内容となっている。あらためて、将棋というゲームの面白さ、奥深さに加え、人間臭さを感じさせられる一冊である。

【初段】
本書のタイトルは、著者によると「残酷な問い」であるという。確かに、ほとんどの将棋を愛するファンは、羽生以外のトップ棋士たちもそれぞれ “常人離れ”した存在であることを理解している。しかし、長年に渡って羽生一人がまるで将棋の神様に選ばれたように際立った実績を残し続けているのも事実であり、羽生と他のトップ棋士との紙一重の差がどこにあるのかというのは、コアな将棋ファンにとっても・・・というよりむしろ、実はコアな将棋ファン(とくに、羽生に痛めつけられることの多い棋士のファン)ほど関心があるのではないかとも思う。その紙一重の差の答は、本書の中で著者による“解答例”(おそらく、将棋をあまり知らない人向け)が示されているものの明確に断定されているわけではなく、「大局観・棋風」「コンピュータ将棋」「若手棋士」「研究」「後手番問題」をそれぞれテーマにした対話篇でのやりとりをヒントにして、読者それぞれがちょっと「残酷な問い」について考えてみませんか?というのが本書のコンセプトで、それをきっかけにして将棋・プロ棋士の世界に魅力を感じて欲しい、羽生の他にも才能豊かで人間性溢れる棋士が多くいることをわかって欲しいというのが著者の主旨のようである。

実際、上記5つの対話篇は将棋界をよく知らない読者にとってもこの世界の壮絶さがよく伝わる内容で、非常に読み応えがある。個人的には、第三章に大満足。舞台となっている羽生と山崎との対局(2009年王座戦第2局)では私も対局場所の大盤解説場におり、終局直後の両者の表情を1メートルもない至近距離で見ている。同じように「若手が羽生世代に挑む」という図式で佐藤に敗れた渡辺(2007年棋聖戦第1局)が終局後の大盤解説場であまりにも堂々と振る舞っていたのを目の当たりにしていたこともあり、あのときの羽生の表情、そして何より山崎の泣きそうな表情(当時の私の日記には“悔しさを通り越した疲労感”と記してある)は強く印象に残っていた。山崎の表情の痛々しさのウラにどういうことが起こっていたのかは将棋世界での著者によるエッセイ(本書にも収録)で知ったわけだが、自らの口から当時の心境と自身の解釈を赤裸々に話す山崎に、勝負師としての資質という点で少しがっかりさせられると同時に、さらに応援したくなるような人間的な魅力を感じざるを得なかった。

また、「コンピュータ将棋」「後手番問題」といった内容は、まさにいま現代将棋が抱えている大きなテーマであり、これらに対する羽生のスタンスが読み取れる意味で、著者の前作に引き続き現代将棋を観て楽しむための良い指南書・参考書になると思う。

【五段】
説明不要だと思うが、この5級向け・初段向け・五段向けという分別は、まさに著者によるリアルタイム観戦記のパクリである。まあ一応は、「5級」=羽生(の強さ)を知らない層、「初段」=羽生が第一人者であることを知っている層、ということを想定しているつもりだが、正直なところ、それほど考えて書いているわけでもない。大事なのは、このような「5級向け」というカテゴリーを設けたのが著者で、すなわち、これまでからずっと著者が将棋ファンの裾野を広げるための発信を行っていたこと。ネット発信力の大きい方が熱狂的将棋ファンであり、しかもこうした努力を継続していることに、将棋界は大いに感謝しなければならない。

さて、「五段」=コアな将棋ファンということでいいのだろうが、この層に対して私の書評など全くの蛇足と思うので、以下は書評ではなく私の戯言(五段向け)と思っていただければ幸い。

五段の層のなかでどれだけ認識されているのか知らないけれど、私がネット上で本書のタイトルについて噛み付いた(というより、実感としては「噛み付かれた」)一人であるのは間違いのないところ。本書の編集者が微々たる発信力しかない一将棋ファンの記事に敏感に反応してきたのは正直驚いたけれど、それだけタイトルについての評価にアンテナを張っているのだなと感じた。著者も本書発売後日に自身のブログ(梅田望夫のModernShogiダイアリー)でこのようなタイトルを付けた背景と意思について詳しく説明している。

私が本書の発売とタイトルを知ったとき、最初に感じたのは「また、羽生ですか」ということだった。著者の前著である『シリコンバレーから将棋を観る』は、将棋ファンの裾野を広げるためのバイブルのような書で、誰もがその内容の素晴らしさと将棋普及への有用性を認めたからこそ、あれほどの猛スピードで有志による英訳プロジェクトが進められたのだと認識しているが、その『シリコンバレーから将棋を観る』にも「羽生善治と現代」という副題が付けられていた。確かに、最終章における羽生と著者との対談には、現代将棋を観て楽しむためのキーポイントがふんだんに盛り込まれており、この書全体の総括的位置付けにあることは否定しないが、わざわざ羽生の名前を副題にするのは「佐藤や深浦や渡辺は添え物」と言っているようでいい気がしなかった。当時思ったことは、羽生というビッグネームは本を売るのに都合がいいんだろうなあ、確かに自分が編集者ならそうするのかなあ(私自身、編集者に本のタイトルを替えられた経験がある)という商売上の戦略と、著書自身の意向かどうかはわからないけれど『ウェブ進化論』の梅田望夫にして、羽生という名前に頼らなければいけないのかという将棋界に対する危機感。結局、羽生の名前を副題に用いた理由の正答は前述した著者自身のブログに書かれている内容そのもので、「将棋にほとんど関心のない人に、将棋に目を向けさせる」ための手段として「羽生」を使ったということのようである。ブログ中にある「たとえば私だって囲碁の世界については、張栩さんくらいにしか関心がない。」との一文を見て、なるほど、囲碁界に関して真っ先に「張栩」に関心をもつ人ならば「将棋界の入り口は羽生」という発想に至っても何の不思議はないと大いに納得した次第。そして、将棋に関心のない層の大半が、将棋に関して一つ関心をもつとすれば「羽生」ということになるのかもしれない。

話を戻して、そういう「羽生」という名前を副題にする違和感があらかじめあったために『どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?』というタイトルに「また、羽生ですか」と感じたわけである。さらには、どんな内容が書かれているのかをネットショッピングサイトで調べてみると、「5級」書評の冒頭に挙げたことが書かれている。どうやらベタベタの羽生善治論のように見える。羽生善治論の本なら「羽生」という名前がタイトルに入るのは当然だし、梅田望夫が真っ向から羽生善治の強さを論じる本なんて面白くない訳がない。ところが、前著の副題に対して佐藤や深浦や渡辺が蔑ろにされているという一方的な思いがあったために、「だけ」という語句にはカチンとなった。

さすがに「どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?」
というタイトルの本は心情的に買えません。
「どうして羽生さんは~」なら喜んで買いますが。
「だけ」とつけるほうが、将棋ファン以外には受けるんでしょうけどね。

ツイッターでのこのツイートを当時どれだけの方が目にしたのかは知らないけれど、ちょうど本書が書店に置かれようかという日にこのツイートを引用して余計な文章を書き、本書の編集者に目を付けられた(度々失礼)という顛末である。しかし、余計な文章を書いてから編集者に名指しされるまでの間に、私は本書を購入して読んでいた。購入時は多忙であったため本書全体を精読できなかったが、もちろん、本書冒頭の「はじめに」を最初に読み、私自身が本書のタイトルによって壮大に釣られたことを一瞬で把握したのだった。一応、本書の編集者も私がなんだかんだ言いつつも本書を購入したことをわかっていて絡んできた(度々度々失礼)そうなので、ある意味、一つ話題(?)を提供できたことはよかったと思っている。

それでも、『どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?』というタイトルは、私としては受け入れられなかった。著者の本意がどこにあろうと、このタイトルを客観的に見れば「どうして羽生さん以外の棋士は、羽生さんより弱いんですか?」とほぼ同値である。そう読み取られる可能性がある背表紙を、人の出入りが多い私の仕事部屋の本棚に大事に大事に立てるのでは、私が羽生以外の棋士に敬意を払っていないように見えてしまう。被害妄想も甚だしいというところだが、これは気持ちの問題なので仕方がない。本棚に置くと背表紙が常に見えてしまうことがポイントなのだ。

そこで、購入した本書は私の所有物ではないとした。つまり、誰かにプレゼントすればいい。そんな流れから仕事部屋の近くにいる者の間で本書が回し読みされ始め(多分に、私が読むように強く押し付けた面もある)、読んだ数人から貴重な感想・コメントも得た。羽生を知らない者(林葉直子は全員知っていた)や羽生を“過去の人”と認識している者(そう指摘され、あの七冠達成からもうすぐ15年になるのだと実感)にとって、将棋の世界はどうやら私が思っていたよりずっと敷居の高い世界らしいが、常人離れした才能をもつ集団がそれぞれの将棋観によって将棋というゲームを追及する姿には、将棋の対局の内容がほとんど理解できなくても(研究者という面で)何か共感できるものがあるようで、「難しすぎる」と言いながらもそれぞれ読了した模様。今後、彼らが将棋の世界に興味を示してくれるかどうかはわからないけれど、少しでも気に留めてくれていたら嬉しく思う。できることなら、雑誌『ゲームラボ』の2010年6月号もセットで回し読みできれば、相乗効果によって将棋への興味が増したのかもしれないが、残念ながら『ゲームラボ』は、えっちなページが多いのである。モザイクがいっぱいあるような雑誌を仕事場で回し読みするわけにはいかない。えっちなのはいけないと思います!

そんなわけで、出張中の移動時間を使って
梅田さんの新刊を精読し終えたので、
書評っぽいものを書いてみようとしたものの
大部分を戯言に費やしてしまいましたorz
著者の梅田望夫さん、編集者の岡田育子さん、
度重なる失礼な言葉、何卒お許しください。
このたびの新刊が多くの人たちに愛読され、
将棋への関心が高まることを
一将棋ファンとして心より願っております。

2010年10月18日 (月)

出雲いろいろ(観光の部)+おまけ

◆出雲大社(1)

・出雲市駅から一畑電車で行きたかったが、電車に乗り遅れるorz
・仕方なくバスで移動。でも、かなり快適。
・前日まで仕事で一緒だった外国人(確かデンマークの人)も乗っていた。
・境内の国旗でかい。日本一らしい。

・参道はいたるところで工事中orz
・本殿には羽織袴と白無垢のカップルが一組。結婚式なのかもしれない。
・出雲オリジナルの礼拝の仕方につついて予習を忘れたので、そそくさとお参り。
 (二礼四拍手一礼でしたっけ?)

(twitpic)

◆一畑電車 出雲大社前駅(2)

(twitpic)

・周辺に寄りたい所もあったので、改札内には入らなかった。
・1時間に1本くらいしか電車がないのが残念orz
・でもとりあえず(*´д`*)ハァハァ

◆旧 大社駅(3)

・一畑電車の駅からそのまま歩いて移動。
・すぐ近くだと思ったら、結構遠かったorz
・やっぱり萌えます。こんな駅最高。
・駅舎内では、何かのアート展をやっていた。
・入口のお姉さんに声をかけられたが、生返事しかできずorz

・地元のガキ子供が改札口の壁にボールをぶつけて遊んでいた。
 (確か文化財とかに指定されているはずだが・・・)

◆大社駅→出雲文化伝承館

・最寄の一畑電車の駅が出雲大社前の隣駅らしいので、そのまま歩くことに。
・しかし、道を間違えて大社駅からさらに南へorz
・しばらく歩いてから道を間違えたことに気が付く。大社駅に戻り、北へ。
・右折、右カーブ、左折とクネクネ歩いて畑に面する広い道に出る。
 (あとで地図を見たら、大社駅からショートカットできる道があったorz)
・畑はゴーヤー、ナスなどを確認。
・東へ結構歩き、ちょっとした坂を上りきると出雲ドームが見えてくる。

・坂を下って交差点を右折、しばし南下して文化伝承館に到着。
・ちなみに、途中のバス停の時刻表を見ると、朝と夕方しかバスがない模様orz

◆出雲文化伝承館(4)

(twitpic)

・まずはパネル展示のある建物へ。出雲の歴史特集。
・出雲屋敷は上がってもよいとのことで、堂々と上がらしてもらう。

(twitpic)

(twitpic)


(週刊将棋2007年5月2日号)

・週将の戸辺&天彦コンビのバス移動企画と同じ風景に(*´д`*)ハァハァ
・奥の部屋ではお琴の教室みたいのをやってた。
・茶室には寄らずにさっさと退散。
・公共施設なので、タクシーが居ることを期待したが・・・orz
・バスもないし、仕方ないので腹を括って出雲市駅まで歩くことにする。

◆出雲文化伝承館→出雲市駅

・目の前の浜山公園通りをひたすら南下。
・と思ったら、出雲ドームが近づいてくるので東にも進んでいる模様。
・途中で仮面サイダーが売られている自販機を発見。(5)

・自販機販売は初めて見たので、記念に仮面サイダー購入。
・どのライダーが出てくるかと思ったら・・・ショッカーの戦闘員かいなorz

・「文江食堂」という気になる店を発見。(6)
・看板を見ると唐揚げがウリっぽい。
・さすがに、やくも前に油っぽいのは無理と判断。泣く泣く駅へ急ぐ。
・結局、出雲大社から3時間ちょっとで出雲市駅に到着。

Izumocitymap

◆おまけ(倉敷編)

・おそらく10km以上歩いて結構疲れたのが幸い、やくもですぐに寝落ち。
・目が覚めたら気分爽快。やくもは寝るに限るねw
・気分爽快ついでに、倉敷で途中下車。大山名人記念館へ。

(twitpic)

・おっちゃんが何人か将棋を指していた。常連さんなんでしょう。
・市代先生の写真が若かった。
・記念に駒桜入会案内のちらしを持って帰る。
・記念館向かいの芸文館別館では日本性科学会のシンポジウムが開催。
・正直、こちらの方も見たかった。
・日本性科学会と日本生化学会はライバルなんだろうか?(どうでもいい話)
・倉敷駅まで走って戻る。星野1001記念館は謹んでスルー。

(twitpic)

2010年10月17日 (日)

出雲いろいろ(食事の部)

出雲でも王将に行ってきました。
出雲市に1店だけある王将は、どうやら今年1月に開店した模様。
昨年まで出雲市に王将がなかったのならば、
出雲市には「ぎょうざ倶楽部」の会員がほとんどいないわけです。
すなわち、出雲市の王将では、私はVIPなわけですね。
店内での私の鋭い視線や、淀みない細やかな所作を見て、
さすがに店長も気付いたはずですよ。
ああ、これは只者ではない、と。
餃子と皿うどんとライスを頼んだら、
味噌汁も付いてきました。(サービス?)

この店はFC店とのことですが、あまりFC店の感じがしません。
地方の王将のFC店に行って最も違和感を感じるのは“言葉”です。
流暢な京都弁と王将語のバイリンガルがなかなかいないのです。
しかし、この店の店長の一連のムーブを見て、
しっかり京都で修行を積んだ方とお見受けました。
王将語はともかく、京都弁での挨拶に違和感がありません。
他の店員は、王将語がまだ初々しい感じ。
「イーガーコーテル」とはっきり発音するように
店長が指導しているんでしょうね。
そう、東山三条から乗る女子高生にいくら笑われようが
オープンスペースの運転デッキから「出発進行~」「信号ヨシッ」と
声を張り上げるおけいはん80系の新人運転手のような初々しさ。
なんて懐かしい風景。マニアックすぎてごめんなさい。
やがて慣れてくると「コーテー、イー」と雑になるんでしょうがw

ただ、FC店だったらメニューにもうちょっと冒険があってもよかった。
私の学生時代、宝ヶ池店には「ジャイアント馬場セット」とか
「ジャンボ鶴田セット」があったし、いまでも出町店
「アントニオ猪木セット」「ドラゴン藤波セット」「長州力セット」がある。
ここは出雲ですよ? 王将という将棋用語の屋号を上げているのなら、
「イナズマセット」があってもいいでしょう?w

会計のときも、店長からVIPとの指示があったのかもしれませんが
若い女性店員が会員カードや怪しげな餃子無料試食券にきちんと対応。
ええ、非常に気に入りました。今度いつ行くかわかりませんが。

ちなみに、同じ町内には大阪王将もあります。
出雲市駅からはこちらのほうが近かったけど、
謹んでスルーさせていただきました。すいません。
こちらに「イナズマセット」があったのでしょうか?
(そんなわけない)

大阪王将の近くには天一も発見。
王将と天一がある・・・この街なら生きていけそうです。

以下、まじめな話。しじみ汁、美味しかったです。
到着した13日は、やくも酔いで食事どころではなかったのですが、
14日の朝、昼、夜、15日の朝、昼、16日の朝としじみ汁三昧。
体によくて美味しいというのがいいですね。
15日の夜が冒頭の話。16日の昼は割子そばをいただきました。

2010年10月16日 (土)

業務連絡?

今日の夜に、帰ります。

2010年6月21日 (月)

清水さんをあきらめ・・・ない

先週の木曜日に甲斐さんが清水さんから女流王位を奪取。
これで女流タイトルホルダーの布陣は、
甲斐女王・女流王位里見女流名人・倉敷藤花清水女流王将
となりました。

これまで、女流棋界の“世代交代”といえば、
清水さん・中井さんの両巨頭を
女流55年組(矢内さん・石橋さん・千葉さん)が
どうやって打ち倒していくかが大きなテーマ。
一昨年には矢内さんが女王・女流名人の二冠を達成し、
そのあとすぐに女流王将戦で清水さんに挑戦という流れとなり、
矢内さん自身から「三冠獲って世代交代」を意識した発言もありました。
しかし、清水さんの壁はまだまだ高く、三冠獲りに失敗。
逆に昨年の秋には清水さんが三冠に返り咲いて、
形の上では“まだまだ清水さん健在”という様相でした。

ところが今年に入って激動。
すでに倉敷藤花の奪取・防衛を経験していた里見さんが
清水さんから女流名人のタイトルをストレートで奪取して二冠達成。
続いて、甲斐さんがマイナビ五番勝負で矢内さんに挑み、
ストレート勝ちして初タイトルを獲得。
さらに今回、女流王位を加えた甲斐さんが一気に二冠となりました。
週刊新潮の中原先生コラムに最近載った話によれば、
中原一門の奨励会員の研究会に甲斐さんも参加して、
中原先生が甲斐さんの指し手について直々に指導しているとのこと。
その成果もタイトル戦の結果として表れているんでしょうね。

それにしても、甲斐さんの人気はすごいです。
「甲斐にゃん」ですよ。「トモミール」ですよw
まあ、私も「かいさん」→「甲斐さん」の変換がデフォルトだけど。
到底、“勝負師”には見えないおっとりとした雰囲気で
(何年か前のNHK正月番組のおっとりぶりには萌えまくった)
それなのに、ちやほやされる女流棋士の活動を休んででも
奨励会に挑戦するほどの根性の持ち主。そのギャップがいいのです。

さて、今回の女流王位戦の内容を振り返ってみると、
厳しい言い方をすれば、清水さんのこれまでの勝ちパターンが
それほど甲斐さんに通用しなかったということなんでしょうね。
序中盤での激しい展開や終盤でのアヤに対して、
甲斐さんが大崩れせず、要所はしっかりと締めたという印象です。
女流名人位戦では、ただ清水さんが空回りしすぎていたように映り、
清水さんの勝ちパターンがどうこうというのは意識しなかったので、
今回はあらためて“世代交代”を意識させられる内容に感じました。

今後は里見さんと甲斐さんの覇権争いになるのでしょうか?
LOT2006決勝での“里見フィーバー”が起こる直前、
将棋世界(2007年2月号)に里見さんへのロングインタビューがあり、
「上の世代で強いなと思う棋士は?」の問いに対して、
里見さんは「甲斐さん」と答えていました。
曰く、「距離感というか、手の速度を見切られているような感じ」。
矢内さんや千葉さんがタイトルを保持していた時代に、
あえて甲斐さんを名指ししたあたり、いま見れば面白いところです。

公式戦での甲斐-里見戦の初手合いはこのインタビューより後ですが、
皮肉にも現在までの対戦成績は里見5勝、甲斐1勝。
ちょっと意外なほどの差がついています。
そのなかには、第1期マイナビ本戦で甲斐さんが完勝した後、
号泣した里見さんがお母様に抱えられながら将棋会館を出ていったことや、
倉敷藤花戦の挑決で甲斐さん勝ちの将棋を最後の最後で落としてしまい、
結果的に里見さんが初タイトルを獲得してスターダムに登ったことなど、
なかなかの因縁めいたエピソードが多くあったりするようです。
現状では里見さんが振り飛車一本なので、これからしばらくは
甲斐さんが相振りか対抗形かを選択する形になるのだと思います。

以上が余談でようやく主題。
次のタイトル戦番勝負は女流王将戦でしょうから、
清水さんが敗退した場合、1992年以来守っているタイトル保持者の座から
滑り落ちることになります。こうなると大事件です。
“世代交代”の波はこれまで何度も清水さんを押し流そうとして、
それでも清水さんは跳ね返してこられたわけですが、
里見さんの鋭さ、甲斐さんの堅実さ、
今度の波のうねりは相当に大きいような気がします。
それでも、これまで長きに渡って女流棋界を引っ張ってきた第一人者が
そんなに簡単に崩れないだろう、崩れないで欲しい、というのが私の願い。
清水さんは私より少し上の世代になりますが、ほぼ同世代。
まだまだ草臥れずに第一人者として振る舞って欲しいです。
女流王将戦は早指し戦。どうなるか読めないところもありますが、
もし「清水無冠」という大事件が起きたときに、
静かに世代交代を認めようかと思います。

2010年5月 2日 (日)

プレイバック2009(1月・2月・3月)

将棋世界の6月号に、プレイバック2009が掲載されました。
前回のプレイバック2008は、2008年1月~12月の対局が対象でしたが、
今回より年度ごとの特集に改められたので、
プレイバック2009は2009年4月~2010年3月が対象となっています。

そのため、2009年の1月・2月・3月に行われた対局は
将棋世界からすっかり羽生られてハブられてしまいました。

そこでこの機会に、2009年冒頭の3ヶ月に印象の残った対局をご紹介します。
全くの独断と偏見で10局をチョイスしました。
これだけあげれば、ベスト10入りしたのもあるだろうという判断。
とくに順位は付けていないので、時系列に追って紹介していきます。
(棋士の肩書きは当時のものです。)

 

▲里見倉敷藤花-△稲葉四段 第40期新人王戦・2回戦(1月9日)

  

この対局の前日、このブログには
「よっぽどのことがない限り里見さんが勝つことはない」などと
失礼なことを書いてしまいました。本当に反省です。
相振り飛車となった対局は左図以下▲9二歩成△同玉に▲9四歩の垂らし。
次の▲9三歩成△同桂▲9四歩が受かりません。
本譜は▲9四歩から△8四歩▲同歩△7七成香▲4二香成△同金
▲9三銀△9一玉と進んで、角筋を通す▲5四歩(右図)が決め手に。
以下△6八成香▲3三角成△9三桂▲同歩成で先手勝勢。
史上最年少の16歳で男性棋士を破った快挙は大きく報道され、
さらに、敗れた稲葉四段が後日に棋聖戦挑決まで勝ち上がったことで
この一局の価値が格段に高まりました。

 

▲深浦王位-△羽生王将 第58期王将戦七番勝負第1局(1月17-18日)

彦根プリンスホテル(現・彦根ビューホテル)の経営者交代により
王将戦名物・公開対局の場所は彦根から四国の大塚国際美術館へ。
先後同型の角換わり腰掛け銀となり、
羽生王将の封じ手の次の一手▲7二角が深浦王位の新構想。
しかし、△8二飛▲6一角成と手番が後手に渡ると、
羽生王将が要所に歩を利かせて的確に反撃。
終盤に深浦王位が渾身の粘りを見せたものの、
羽生王将がしっかりと寄せきって先勝しました。
大塚国際美術館の名画だけでなく、飛び交うオレンジジュース、
そして局後のスポニチ罰ゲームは「海辺でオロナミンC」と
非常に印象に残る一戦でした。

 

▲久保八段-△井上八段 第67期B級1組順位戦(2月6日)

ハチワンダイバーですっかりお馴染みになった新・石田流から
両者居玉のままの大乱戦となった将棋は、
攻防に働く絶妙の名角△6三角が現れて後手が大きくリード。
しかしここから先手が踏ん張って長手数の大熱戦に。
図は▲9六角と後手玉に迫ったところですが、
ここから△6五玉▲6九香△3七と▲同玉△6七桂と凌いで
後手がなんとか勝ち切りました。
この日、昇級争いの首位を走っていた杉本七段が敗れたため、
井上八段の11期ぶりのA級復帰が決定。
前回に井上八段がA級から陥落したのは1人きりの陥落だったなと
亡くなった村山聖九段のことを思い出しました。

 

▲阿久津六段-△久保八段 第2回朝日杯将棋オープン戦・決勝(2月14日)

第2回朝日杯は渡辺竜王、久保八段、阿久津六段、佐藤(和)五段が4強。
準決勝を勝ち上がったのは久保八段と阿久津六段で、
決勝は久保八段の後手番ゴキゲン中飛車に。
公開対局のなか、久保八段が捌きのアーティストぶりを見せつけ、
豪快な飛車のタダ捨て△6五同飛で一気に決めに出た局面。
ここで▲同桂だと、△9九角成の次に△7七香や△6六歩が激痛です。
本譜は▲6六歩△同角▲6八銀と銀を埋めて後手の攻めがストップ。
以下△4四角▲6五桂△9九角成▲6四香が鋭い反撃で逆転、
阿久津六段が棋戦初優勝を飾りました。

 

▲羽生王将-△深浦王位 第58期王将戦七番勝負第4局(2月18-19日)

深浦王位は開幕戦に敗れたものの、第2局・第3局と連勝。
スコアをリードしたうえ第4局が九州対局と意気上がるところ。
一手損角換わりから相腰掛け銀となった対局は、
2日目の昼食休憩明けに目の覚めるような▲2四銀
△同歩と取ると、▲同歩の次の▲2三歩成が受けにくく、
1二の地点に5六からの先手角筋が通っているため
△1二銀は▲同角成~▲2三銀で後手陣崩壊、
△3四銀打でも▲3五歩の取り込みが痛すぎます。
本譜は▲2四銀から△4六角▲3三銀成△同金▲2四歩△同歩
▲3四銀と進んで、そのまま先手が完勝。
歩頭に打ちつけた▲2四銀の一発で決まったような印象を受けました。
里見さんが出雲から毎日新聞社機(!!)で現地入りしたのも話題(?)に。

 

▲深浦王位-△羽生王将 第58期王将戦七番勝負第5局(2月24-25日)

2-2のスコアで迎えた第5局は先手番の深浦王位が中飛車に。
残念ながら2日目はリアルタイムで観戦することができず、
出張先で中継ブログを覗き見すると、「羽生王将のペース」との情報。
しかしそのあとすぐに「深浦王位勝ち」で終局してましたorz
図は△5七歩の大きな利かしに仕方なく▲6八飛とかわした局面。
ここで△2五銀なら▲1三歩成△同桂▲1四歩△1六銀▲1三歩成△同香
▲1七歩△4七香と迫って寄り筋だったようですが、
羽生王将が指した△3六歩の突き出しが緩手だったとの結論。
以下▲7九金△9九龍▲8八角△9六龍▲4四角と進み、
9七で窮屈になっていた角が綺麗に捌けて深浦王位が逆転勝ち。
しかし、第6局・第7局と羽生王将が踏ん張って
七番勝負は4-3のスコアで羽生王将の防衛に終わりました。

 

▲久保八段-△佐藤棋王 第34期棋王戦五番勝負第2局(2月28日)

 

2008年度の升田幸三賞を受賞した▲7五飛を外すわけにはいけません。
左図の▲7五飛に△7四歩は▲4五飛!が狙い。
以下△3二金▲2二角成△同銀▲5五角△7三桂▲4三飛成△同金
▲2二角成と畳み掛ける構想です。
本譜は△4二玉▲7三歩成と進んだのですが、
大盤解説会場での解説会にて▲7五飛の真意を披露し、
堂々と秘策を公開する姿勢も含めて絶賛されました。
終盤は、右図から▲5三銀成と決意の成り捨て。
▲5三銀成でなく▲5四桂や▲6三銀成、▲4一龍では後手良し。
本譜は▲5三銀成から△同玉▲4一龍△3九馬▲6八玉と進んで先手勝ち。
△3九馬のところで△5六歩▲同玉△6四桂と進めば
後手の勝ちという結論でした。

 

▲谷川九段-△鈴木八段 第67期A組順位戦(3月3日)

 

負けたほうがA級から陥落するという大一番は相振り飛車に。
A級以上連続27期(当時)を誇る永世名人が陥落するという事態は
なんとしてでも起こって欲しくないというのが谷川ファンの願い。
そんな大一番に▲9三桂成。心臓が止まりそう。
この一手で空気が変わったと思いたいですw
鈴木八段の見落としもあって先手がリードを築いた終盤では、
右図から▲2四飛△同歩▲5三角成△2二飛▲8四歩が光速の寄せ。
残留を決めてもマスコミのインタビュー。注目の高い一局でした。

 

▲有吉九段-△高崎四段 第67期C級2組順位戦(3月10日)

高崎四段は勝てば昇級。有吉九段は負ければフリークラス陥落が濃厚。
C2の最終戦一斉対局で最も注目を集めたのがこの対局でした。
しかし、高崎四段にはあまりにも状況が酷すぎたようで、
馬を消してしまううっかりもあって平常心が保たれていない様子。
終盤、後手が△8七香と寄せをめざした局面で▲6五角が攻防の一着。
以下△9九飛成▲6八玉△8八香成▲8三香△7一玉▲3二と
有吉九段が勝って残留を決め、高崎四段の昇級はならず。
残念ながら第68期の順位戦で有吉九段のフリークラス陥落・引退が決定し、
その同じ日に高崎四段の昇級昇段が決まるというドラマもありました。

 

▲佐藤棋王-△久保八段 第34期棋王戦五番勝負第5局(3月30日)

 

久保八段連勝のあと、佐藤棋王も2勝を返してスコアは2-2、
フルセットまでもつれた棋王戦の第5局は振り駒で佐藤棋王が先手。
後手ゴキゲン中飛車に丸山ワクチンという出だしから、
久保八段が見せた趣向が「1人時間差攻撃の角」。
左図でいったん△3三角と打ち、▲6六歩△9二香▲3七桂を経て
△4二角(右図)と移動する手順が巧妙でした。
左図でいきなり△4二角だと▲5二銀という手があり、
次に△5二同飛は▲4一角、△8一飛だと▲5四角で先手良し。
しかし、右図に▲5二銀は△5二同飛▲4一角△6二飛▲3二角成
△1五角が馬桂両取りとなって後手良しです。
本譜は△4二角以下▲6六銀△9五歩▲同歩△9一飛と進み、
終盤の9筋での攻防を制した久保八段が勝利。初タイトルを獲得しました。